愛しの魔王サマ
「ま、まおーさま?隠れててって言ったのに・・・」
ルカがそう呟いた。
人間たちは一層いきり立ち、剣を掲げる。
「マオさま!」
アドルフが声をあげると、マオは一瞬視線をアドルフに向けた。
しかし、なにも言うことなく足を進めると人間たちの前に出た。
「・・・お前たちの憎しみを向けるべき相手は俺だろう。俺は、逃げも隠れもしない。お前たちの思うままにするといい」
マオはそう言うと両手を広げた。
なにを、言い出すのだ。
アドルフは声を失う。
今、マオはなんと・・・?