愛しの魔王サマ


人間は、いったいどういう事なのだと一瞬ためらっていたが、一人の人間が思い切り振り上げた剣でマオの身体に剣を突き刺した。




「っ」




抵抗もせず、避けることもせずその剣を受けたマオは、口から血を吐きぐらりと体を傾けた。





「マオさま!!!」




顔を青ざめ、アドルフがマオに駆け寄ろうとする。




「来るな!」




そんなアドルフを、マオはそう叫んで止めた。
一人の人間の行動により、活気づいた人間たちは、次々にマオに剣で斬りつけていく。


その度に、その剣を丸ごと受け止めるマオの身体は、たちまち赤く染めあがっていく。





「まおーさま!なんで!やめろ!やめろ!人間!!」





ルカは涙をにじませた瞳で、必死にマオに近づこうと活気づいた人間たちをかき分けていく。
殺すな。
そう言ったマオの言葉を最後まで護ったまま。




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