愛しの魔王サマ
「え・・・、これ・・・、ね、ねぇ、アドルフ、まおーさま、怪我したの・・・?」
「はい?なにをおかしなことを・・・」
「だって、これ!血だよね!?これ・・・、マオさまが着てた服・・・」
袋に入れられた血で汚れた服。
その血に染まった袖口には斬りさかれた跡まであった。
「な、なんですか、これは・・・」
アドルフは息をのみ、その服を見つめる。
どうしてこんなものが・・・。
「ま、って・・・、これだけじゃないんだけど・・・」
青ざめたままのルカが箱の中を見ると、それは一着だけではなく他にも同じような袋が3袋ほど入ってあった。
その中身も、同様に服であったり、タオルやハンカチのような赤く染まった布だった。
そして、服にはどれも斬りさいたような裂け目が入っていたのだ。
「これって、腕を、刺したってこと・・・?」
「刺すって、なぜ」
「・・・発作。もしかして、発作が起きてたんじゃ・・・。アドルフ最近まおーさまの側にいないじゃん!その時に、発作が起きて・・・」
「そ、そんな、・・・」