愛しの魔王サマ
「・・・わかった。でも、危険だと思ったらすぐ戻ってこいよ!それから、ちょくちょく戻ってきてくれよ」
「トマ・・・。もちろんよ。ありがとう」
「あいつが、ただの化け物じゃないって・・・。本当は俺だって、わかってた・・・。でも、姉ちゃんをとられたくなくて、気づかないふりしてたんだ・・・」
今にも泣き出しそうなトマの表情。
エマは、そっとトマの身体をひき寄せ抱きしめた。
「いつの間にか、私よりずっと大きくなったのね」
「・・・当たり前だろ。男なんだから」
「大すきよ、トマ。それも嘘じゃないの」
「・・・わかってる。俺も、大好きだよ、姉ちゃん」
離れていても。
心は側にある。
たった二人の家族。
二人の、絆なのだから。