愛しの魔王サマ
「マオさま!?」
ガバッと起き上り、荒い呼吸を繰り返す。
今のは、夢か・・・?
いや・・・、違う。
あれは、俺の中のアイツの声だ。
「俺は・・・、まだ、俺のままか・・・?」
頭の中が混乱し、自分の状況を把握しきれていない。
体中がズクンズクンと痛む。
「まおーさま!」
「「まおーしゃまっ!」」
今にも泣き出しそうな顔で、俺を見つめるルカと、チチ、トト。
そして、アドルフの姿もあった。
ああ、そうか。
人間が襲撃してきて・・・。
「まおーさま!なんで、あんなこと!無抵抗で人間の前に出ていくなんて!」
ルカが、ついには泣き出しながら叫ぶ。