愛しの魔王サマ


「・・・自分がしでかしたことの報いは受けなければならない」

「自分がって・・・、過去の魔王の所業のこと?そんなの、まおーさまのせいじゃないじゃん!」

「その通りです!マオさまが、心を痛めることなど一つも。マオさまに責任の一つもありません!」




ルカに続いてアドルフもそう言った。
それは本心であろう。


それでも。




「たとえ、俺自身に覚えがなくとも、人間にとっては、“魔王”がしたこと・・・。俺がしたことと同然だ」

「そんな・・・」

「それに・・・。俺の中にいる化け物がしたことに変わりはない・・・」






わからないのだ。
俺と、その化け物は同じ魂の一部なのか、それとも本当に別物なのか。


もし、一部なのだとしたら・・・。
俺に一つも責任がないなどとは、言い切れない。




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