愛しの魔王サマ


「・・・っ、」

「マオさま?まだ、お身体が本調子ではないのでしょう。もう少しお休みになってください」




頭の中が、ぼんやりする。
クラクラと、血が足りないのか眩暈を感じる。

体調がすこぶる悪いせいか、化け物は鳴りを潜めている。


チラリと見ると、ルカの側には俺が隠しておいた血で汚れた服などが入った袋が置いてある。
見つかってしまったのか。



・・・ならば、知ったのだろうな。
俺の中に化けものが潜んでいると。




もう、その化け物になりかけているのだと。




「・・・ルカ、チチ、トト・・・」

「・・・?なに?まおーさま」

「「まおーしゃま?」」




ならばもう、ここまでだ。





「お前たちとの契約を、破棄する」





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