愛しの魔王サマ
「・・・っ!?なんで!?」
一番に声をあげたのはルカだ。
いつも、俺を慕ってくれていた。
どこにでもついていくと言っていたな。
「もう、・・・お前たちは自由だ。好きなところに行くといい」
だが、もうそれもここまでだ。
俺に付き合う必要などない。
「だったら、俺はまおーさまの・・・」
「俺の側、以外のところへだ」
「・・・っ」
ルカの言葉を遮ってそう言うと、ルカは唖然とした表情を浮かべる。
決めたことだ。
アドルフから真実を聞かされ、いずれそうしようと考えていた。
思いの外早かったが、もう時間はないだろうから。
「お前たちは、よくしてくれた・・・。感謝している。・・・俺の事などもう忘れて達者に暮らせ」
「「やだよ、まおーしゃま!」」
「そうだよ!まおーさまの側以外に、行きたいところなんて、ないよ!」