愛しの魔王サマ
「マオさま、マオさま」
「・・・るさい・・・。平気だ・・・」
「は、はい・・・」
ホッとした様子のアドルフ。
このような発作は、あれから幾度か起きていた。
まるで、俺をあざ笑うかのようなからかうような発作の症状。
騒ぎ立て不安を煽るだけの発作に思えて胸糞悪い。
「・・・くそっ」
どうすることもできない自分がもどかしい。
もう、時間がないのだと言われている様で・・・。
「マオさま、気をしっかりお持ちください」
「・・・煩い。茶の替えを早く持って来い」
「は、はい。すぐに」
以前のように世話を始めたアドルフだが、態度はよそよそしく、まるで腫れ物に触るかのよう。
その態度が、俺のイライラを増長させる。
もう、潮時かもしれないな。
これ以上、ただ無闇に時を過ごしたところで、なんの解決も見出すことはできない。