愛しの魔王サマ
「う、うわああああ!!」
くそっ、くそっ!
なんなんだよ!
むしゃくしゃしてイライラして、八つ当たりみたいにして蹴とばした枯れ木が運悪くたちの悪い魔物に直撃。
怒らせてしまい追いかけられる羽目になった。
「待ちやがれ!!」
誰が待つか!
どうにか巻いてやろうと闇雲に走り回る。
自分の身は自分で護らなくちゃいけなかった俺は、逃げ足だけには自信がある。
ま、なんとも情けない話だけど。
「くそったれ!」
行きついたのは、崖。
逃げ場を失った俺は、後ろから迫る声に焦る。
・・・こうなったら。
俺は意を決して、崖から飛び降りた。