愛しの魔王サマ
「そんな強いお前だからこそ、魔王の家来に相応しい」
「強い・・・、俺が・・・?」
だってそんな。
俺は必死で。
がむしゃらで。
カッコ悪く、生にしがみ付いていただけ。
馬鹿にされて、蔑まれて。
それでも、生きていたくて。
「まおーさま、俺・・・、俺、一生まおーさまの家来でいます。まおーさまの事、護ります」
「そうか。・・・護る。それなら、お前は騎士だな」
「騎士・・・」
「しっかり頼んだぞ」
「・・・っ、はい!」
まおーさまは、変な人だ。
俺が思い描いていた魔王像とはかけ離れている人。
それでも、本当についていきたいと思える人。
俺を、初めて認めてくれた人。