愛しの魔王サマ


「ここは俺様の縄張りだ!侵食するやつは一人残らず殺してやる!!」

「まおーさま!」




突然現れた魔物。
相手が魔王さまだと知らず馬鹿な奴。




「まおーさま、下がってて!おれが、まおーさまを護る!」




この人は。
俺を認めてくれた、まおーさまは俺が護る。

俺に居場所をくれた。





むかってくる魔物を払いのけ、いったん態勢を整えると、一気に攻撃態勢に入る。
精一杯爪を立て、魔物に斬りつけるが軽々とよけられてしまう。



今まで、逃げてしか来なかった。
戦い方なんて、知らない。


馬鹿だ。
護るなんて啖呵きったくせに。




足がもつれる。
その隙に、魔物が標的をまおーさまに切り替え向かっていくのが見えた。



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