愛しの魔王サマ
だめだ。
そんな事させない。
俺が護るって言ったんだ。
やっと、俺の価値が見いだせたんだ。
それなのに。
命に代えたって、まおーさまを護る!
俺は、足を奮い立たせまおーさまと魔物の間に身体を滑り込ませると両手を広げまおーさまを庇うように立った。
まおーさまを護るために死ぬのなら、それでもいい。
出来損ないでも役に立てるって、証明できるよね。
覚悟を決め、目を閉じた。
でも、次の瞬間勢いよく後ろにひかれ尻餅をつく。
訳が分からず目をあけると、目の前にはまおーさまの背中が。
まおーさまが抜いた剣が、魔物の身体を斬りさくのが見えた。