愛しの魔王サマ
「私をこんな風に変えてくれたのは、マオさまです。だから、マオさまのためにできることを諦めたくないんです」
それだけじゃない。
マオの事を好きになった。
その気持ちを、失いたくない。
「そうですね。誰か詳しい人に話をききに行ってみましょう」
「そうだな!俺は魔界で聞き取りする。アドルフは人間に見えるように変装して、エマと一緒に人間界で聞き取りしてくれよ」
「そうですね。手分けをしましょう。おそらく、あの魔王さまを拘束できる時間は、あまり残されていないでしょうから」
時間が惜しい。
どうにか間に合わせなければ。
覚醒が済めば、もう手遅れになってしまう。
そうなってしまえば、マオさまを取り戻すことは今以上に難しくなってしまうのだ。
「じゃあ、後で!」
「ええ。半日後、ここで落ち合いましょう!」
それぞれに、走っていく。
決意を持って。
祈りを、胸に。