愛しの魔王サマ
「でも、それには何も書いてなかったんでしょ?」
「ええ・・・。私はすべての書籍に目を通し頭に叩き込みましたから・・・。でも、あの本が一番詳しく封印や消滅の方法を書いていたので・・・」
「確かに、読み飛ばしてる可能性もないわけじゃないもんな!」
一度読んではいても、確認しておきたい。
できることはすべてやっておきたい。
「でも、どうしてないんでしょう・・・」
「マオさまが読んでいたとしたら・・・。マオさまがもっているとしか・・・」
「マオさまの部屋に行ってみよう!」
できることはすべてやる。
その思いで走り出す。
しかし・・・。
マオの部屋にもそれらしきものは見当たらなかった。
「捨ててしまわれたのでしょうか・・・」
「そんな、なんで」
手がかりと思えるものがなくなっていく。
焦りと、絶望が近づいてくるのを感じる。