愛しの魔王サマ
その時。
大きな地響きと爆発音のような爆音が響く。
「キャ!?」
「うわ!」
バランスを崩し座り込む一行。
その時が、やってきたのだと悟った。
「そんな・・・もう・・・」
「マオさま・・・」
絶望の足音が、もうそこにやってきていた。
「くそっ!くそっ!どうすることもできないわけ!?まおーさまのこと助けたいのに!なにもできない!」
「ルカさま・・・。そんな・・・」
こみあげてくる涙。
どうにかしたいと願うのに、どうすることもできない。
そうなれば・・・。
「私が・・・。マオさまの願いを、やり遂げます」
取り戻すことがかなわないのなら。
せめて、マオの想いを。
「そんな、エマ・・・。マオさまを消滅させるっていうのか!?」
「・・・はい」
エマは力強く頷いた。