愛しの魔王サマ


「そうとなったら全力でいかないと。半端なことして俺らが傷ついたら意味ないもんな!」

「ええ。そうですよ。できればこれは使いたくなかったですが、あらかじめとっておいた私の血です。消滅にはこれが必要ですから」

「ありがとうございます。アドルフさま」

「いえ・・・。あらかじめとっておいたため、私の身体は万全です。全力で魔王を抑えます」




マオのために。
ただ、そのために。




「マオさま・・・。愛しています。だから、私はあなたを、誰も傷つける前に・・・この手で消滅させます。許してくださいますか?」




エマは両手を組むと祈るようにそう言った。




「では、行きましょうか」





続いている爆発音。
この根源を断つために。



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