愛しの魔王サマ
「私たちはもう、間違えません!」
「俺たちは、マオさまのためにいるんだ!」
迷う事なんてない。
心はいつだってマオの側にあるのだからと。
「あなたには、ここで消えてもらいます!」
渾身の力を込め、ルカとアドルフは魔王の肩を抑えつけながらエマの剣の元へと一気に向かった。
エマは剣を構え、グと力を込めた。
心が震える。
覚悟を決めろ。
それが、マオが望んだ道なのだと。
ザクッ
「ぐ、ぅうああああああ!!!!おのれぇぇぇぇぇぇ!!!」
けたたましい魔王の断末魔に、耳を塞ぎたくなる。
しばらく、身じろいでいた魔王だったが次第にその力が弱まり、動かなくなった。
「マオさま・・・。マオさま、・・・心から、あなたをお慕いしています」
手に伝わる、マオを刺した感覚に涙を流しながら、マオの唇に自分の唇を押し付けた。
――好きな者とは、こうするのであろう?
マオさまは、私の事をどう思っておいでだったのですか?
もう聞けぬ思いを抱きながらそっと唇を放した。