愛しの魔王サマ
疑心暗鬼になり、自分の事ばかりで。
こいつらの想いに気づくことができなかった。
それでも、今こうしてここにいる。
生きている。
「まおーさま!どう思います!?」
「私は誰よりも長くマオさまのお側におりました!その思い、届いていますよね!?」
「あ、あの、時間より密度とも言いますし・・・。その、マオさまは私の事、どうお思いで・・・」
「「まおーしゃまっ!!」」
俺を認め、俺を求め、愛してくれる者たち。
「俺も、お前らが大好きだ」
失くしかけたもの。
手放そうとしたもの。
それでもまだこの手にあるもの。
俺は誰だ。
何度も問うたその問いにも。
俺はもう、自信を持って叫べる。
俺は、マオだ。
と。