愛しの魔王サマ


サラリとそういうことを言ってのけるルカ。
あいつはおそらく口から生まれてきたんだろう。


「でも!まおーさまの嫁の座は渡さないから!」

「・・・?はい」

「愛人くらいなら許してあげるけど」

「お前は俺のなんなんだ。気色の悪いことを言うな」

「それくらいまおーさまの愛が強いってことですよ!」




ルカの減らず口さえも、エマにはあまり興味はないらしく。
軽く流している様子に、さすがだな、と感心すらする。



「あまりおしゃべりが過ぎると着くころにはカラカラになって声が出なくなりますよ」

「うっ、わ、わかっている!」



呆れたようにアドルフに言われ口を噤む。
くそ。
ルカに乗せられるなんて、不覚だ。


それにしても、あれだけ喋っていてルカは全く疲れた様子もない。
あいつの体力は底しれん。




「くそ」




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