愛しの魔王サマ
エピローグ
愛しの魔王さま
賑やかな魔界の広場。
魔界に棲む魔物たちが今か今かと待ちわびる。
今日は、魔界の王の新たなる決意表明の行われる日。
「まおーさまはまだかぁ!」
「待ちくたびれたぞー!」
「まおーさま!」
「出てきて―――!」
声高々に魔王を待ちわびる魔物たちの声。
そこに、ゴホン、と咳ばらいがスピーカーから聞こえてくる。
≪あーあー!えー、諸君!長らく待たせた!≫
待ちわびた魔王の声がスピーカーから聞こえてくる。
一気に盛り上がる広場だったが・・・。
「え!?まおーさま!?」
「姿が見えない!」
「どこ!?え、どこで話しておられるのだ!?」
騒然と、魔王を探す声があちこちから上がるのだった。