愛しの魔王サマ


「わかった、もういい。・・・今日の予定は」

「本日の予定は、マオさまに確認していただきたい書類があります」




それ以上考えることをやめ、ナイフとフォークを手に取った。
アドルフはそんな俺に一度一礼するとその場を少し離れた。

アドルフは、俺に何かを隠している。
そんな事は、ずいぶん前からわかっていた。


もっと言えば、初めて会ったあの日から。




「・・・もういい」



半分ほど食べたところで俺はそう言うとナイフとフォークを置いた。
そのまま立ち上がると食堂を後にする。




「エマ。・・・俺に付き合え」




どうせ、俺についてくるつもりなのだろう。
そう付け足すとそのまま歩き出した。




そして、そのまま庭に出た。





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