愛しの魔王サマ
「魔王さま!申し訳ございません!」
部屋に戻ると、丁度起きた様子のエマが勢いよく頭を下げた。
まぁ、起きればこうなることくらい予想はできた。
出来たが・・・。
「いちいち大げさなのだ、お前は!」
頭を地面にこすり付けるようにして頭を下げるエマに俺は怒鳴りつけた。
「しかし!魔王さまのベッドで眠った挙句、魔王さまよりも遅く起き朝の準備もお手伝いできず・・・っ」
「はぁ・・・。おい、エマ」
頭を下げたまま、震える身体。
なににそれ程怯えているのか。
相変わらずわからん。
「頭をあげろ」
俺の言葉に、ようやく頭をあげ俺を見上げる。