愛しの魔王サマ


「な、お前、顔が真っ赤だぞ?」

「・・・っ!」




そう指摘すると一層赤く染まった顔。
ドンッと胸を押され後ろによろけると、エマが飛び出して行った。



な、なんなのだ・・・。



でも、涙は止まったようだった。
ならやはりやり方はあっていたのか。


ならいいが・・・。




エマのあんな顔、初めて見たな。
泣いた顔も、あんな赤く染めた顔も。



あいつにも、感情はやはりあるのだな。



人間とは、いったいどういう生き物なのだろう。





俺とは、どう違うのだろうか。





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