愛しの魔王サマ
「「ルカでてってー!」」
「うわっ!?」
突然目の前からルカがひっくり返りながら転がって消えて行った。
騒がしいやつだ。
「ってぇ!って、チチ!トト!お前らか!」
「「これからまおしゃまお着替えなの!出てって!」」
「ん?あ、そう言えば、まおーさまそれ寝間着じゃないっすか!」
今更何を言うか。
起きて早々アドルフがくるより前に突然現れたのはどこのどいつだ。
「「まおーしゃまお着替え行きましょ」」
「ああ、よろしく頼む」
煩いルカは置いておいて、チチとトトと共にクローゼットへ向かう。
チチとトトは、双子のエルフ。
今は小さな妖精の姿だが、たったの10分なら人型の子どもの姿になることができる。
こいつらは、俺の身の回りの世話をする召使いだ。
俺は何もすることなく、チチとトトが寝間着から衣装を変えてくれる。
これぞ、魔王である俺様の力量のなせる業!
「あれ、こうだっけ」
「こうじゃない?」
「いやいや、こうだよ」
「・・・貸してみろ」
少し抜けたところはあるが、仕方がない。