愛しの魔王サマ
③感情を教えた人
「マオさまは、暗闇がお嫌いですか?」
「・・・なぜだ」
「風邪を召されていた時、側にいろとまるで幼子のようでしたので・・・」
お、幼子だと!?
というか、なんだそれは。
そんな事俺は言っていない!
言って、いない・・・よな?
「お、覚えていない」
「そうでしたか・・・。あの時、私を抱きしめたまま眠ってしまわれて。どうしても離すことができなかったのです」
そういえば、目を覚ました時エマが隣に寝ていた。
それは、そういう事だったのか・・・。
なんて恥ずかしいことをしているのだ!
「わ、忘れろ!」
「は、はい。すみません・・・。失礼なことを・・・」
「別に怒ってるわけじゃない!・・・恥ずかしいであろう。魔王が、その様な事・・・」
示しがつかんではないか。