愛しの魔王サマ
「マオさま。お迎えにあがりました」
「ああ」
着替えを済ませると迎えに来ていたアドルフが待っていた。
後ろには大人しくなったルカ。
大方、アドルフにどやされたのだろう。
アドルフは、容赦がない。
「来賓の方々はもうお集まりです」
「そうか」
魔族の大陸の各地から魔物たちが集まってきている。
この俺様のために!
これぞ、魔物たちの頂点に立つ俺様の力量!
「壇上に、箱を用意いたしましょうか」
「は?そんなもの、なにに必要なのだ」
「そのままでは遠くの方にまでお姿が見えないかと・・・」
「俺がチビだと言いたいのか。お前のその口縫い付けてやらないといけないらしいな」
ピキピキと青筋を立てる。
いちいち言うことが癇に障る。
「第一、俺様はチビではない!普通だ!」
「・・・普通を威張られても」
アドルフの肩が笑っている。
こいつ!!!