愛しの魔王サマ


3年というときは、どれ程長く、どれ程短いものなのか。
俺にはよくわからん。


その3年のうちに、俺はどれだけのものを得られたのだろう。
少しは、“魔王”というものに、近づけたのだろうか。


どうあれば、魔王として認められるのか。




魔王というものがいったいどういうモノなのか。




そういえば、そう言う事をアドルフは教えてくれたことがない。
あいつは、俺にどのような魔王になってほしいのだろうな。





「エマ。お前から見て、俺はどう映る?」

「え・・・」

「ちゃんと、魔王に映っているか?」





それはどれほど、願いを込めた問いだっただろうか。





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