愛しの魔王サマ
「マオさま・・・」
「なにを、言っているのだろうな。ここのところ、変なのだ。余計な思考が渦巻いて・・・」
自分が、自分ではいられなくなる。
心の中に、なにか重くのしかかるような重りがあるみたいに。
「マオさまは、マオさまです。私の事を、認めてくださったマオさまこそが、真実です」
「エマ・・・」
「もし仮に、マオさまが魔王さまでなかったとしても。私にとっては、それは重要ではありません。マオさまが、マオさまである限り。私は、マオさまにつき従います」
「俺が俺である限り・・・」
「はい。きっと、アドルフさまやルカさまも同じだと思います。マオさま自信をお慕いしているのだと」
一生懸命に言葉を並べ訴えてくるエマに、不謹慎にも愛おしく思った。
エマはこんなにも必死になっているというのに。
初めてこの城に来た時には、考えられないほど感情的だ。