愛しの魔王サマ
体中の血が、煮えたぎるような。
息苦しさと、喉の渇き。
もがくように喉元を抑え、身体が支えきれずその場に座り込んだ。
「マオさま!?」
俺の様子に慌てたエマが駆け寄り手を伸ばす。
“殺したい”
“力が、欲しい”
脳裏に直接響くような言葉。
一層、ドクンと血が滾り喉が焼けつくように熱くなった。
伸ばされた手を、無意識に爪を立てた手で払いのけた。
「あっ!」
エマの身体は突き飛ばされ扉に叩きつけられる。
腕からは、赤い血が滴っていた。
血・・・
血が、欲しい。
もっと、血が。