アナタの過ち
『ごちそうさまでした、ありがとうございます』
「これぐらいいいよ、行くぞ」
『はーい』
デザートも食べた私はお腹もいっぱいで、さっきの事なんて忘れかけていた。
でもまた始まった。
『ちょっと!やめてよ!』
「いいじゃん別に」
『信号青だってば!』
やめて、なんて言ってるけどキスぐらい本当はどうでもいい。
今まで色んな人と遊ぶ度にキスをされていた為か、もう感覚がおかしくなっていた。
それはきっと、悲しい事。
そんな事をしてるうちに、私の地元についた。
例のコンビニに車を止める。
『…私帰りますね』
「待てよ」
『…何ですか』
「俺の。どうしてくれんの?」
『だからなんなの?』
「させて」
『無理』
「なんで」
『じゃあ逆に』
「…?」
『なんで会ったばかりのあんたとしなきゃいけないの?』
「…じゃあ口で」
達也は座席を後ろに下げた。
『は?』
それを目で追いながら私は放心状態。
「やれって!!!」
手首を掴まれ無理矢理。
『嫌!!』
触りたくもない。
「やれって言ってんだろ!」
『痛っ』
顔を叩かれてジンジンする。
でも泣くもんか。
「…やれ」
『…』
痛いのは嫌。
私は無言で手を伸ばす。
今までコレはやったことない。
初めてだった。