アナタの過ち



「よかったらメールしない?」

私の前略プロフィールから来たメールにはそう書かれていた。

その人のプロフィールを見る。

青木智也。

まぁまぁかっこよかったので私は返事をした。

『いいですよー』

ネット上での出会い。
今思い返すと怖い。

来る者拒まず、去る者追わず。
基本的にはそうやって生きてきた。

だからネットだろうが、すんなりと受け入れた。

直接か間接かという、簡単な違いだけだと思ってた。




仰向けに寝ている私のお腹の上で、携帯が震える。
いつからか、もうずっと音は聞いてない。

「何歳?」

『16歳です』

「今年17?」

『そうですね、その学年です』

「じゃあ2個下だね」

智也は19歳。


「今度遊ぼうよ!」

『いいですよ』

私はいつもの様に軽く承諾した。

もう何があっても平気だから。


そう思って、心の傷が増えている事なんて気づいてなかった。

フリとかじゃない。

本当にわからなかった。


むしろ、誰かと会う事で何か埋められる気がしてた。









< 118 / 147 >

この作品をシェア

pagetop