アナタの過ち



当日。

智也は鳶だった為、休みは日曜だけ。

土曜の夜から日曜にかけての泊まりで遊ぶ事になった。

『遠いなぁ…』

電車に揺られながら独り言を呟く。

携帯に入ってる10個以上の曲が1周以上するぐらい距離は遠い。

『電車代もかかるし…』

ため息をつくとアナウンスが流れた。

私の気分を察したかのように、降りる駅名が聞こえる。

降りる人も少なく、寂れた所だった。

切符を改札口に通し、電話をかける。

『もしもし?着いたよ』

「どっち側から出た?」

『人が少ない方から』

「交番とか無い方?」

『えーっと…無い方ですね』

「じゃあ出て左にひたすら真っ直ぐ来て」

『はーい』

電話を切って、私は左に歩き出した。




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