アナタの過ち



そして。


『…え、ちょっと!』

智也は私の中にそのまま入ってくる。

『ゴムつけてよ!』

「…っ」

構わず腰を振る。

「中で出す…」

『やめて!!!』

「…大丈夫」

『なにが?!妊娠したらどうすんの!?』

必死の願いは聞き入れてもらえなかった。

途中で小さく聞こえたあの名前。

『…』

自分が悪いけど、やっぱりもう疲れた。



「金はあるからさ」

智也は、煙草の煙を吐きながら突然そんな事を言い出した。

『は?』

なんの話?

「金はある。問題は親だよ」

『…』

「16と19のガキが子供産みますなんてな」

『は?』

「何?」

『え?できたら産むの?』

「そうだけど…嫌なの?」

びっくりした。
一応、私の言葉聞いてたんだ。

そういう問題じゃないけど。

でも少しだけ嬉しかった。

そんな事になったら、堕ろせとか言うと思ってたから。

無理矢理ヤられたくせに。
智也は、私を私として見てないのに。

女で、"Sayaka"の代わりなだけなのに。


『嫌じゃないよ』

私はおかしいのかな。







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