アナタの過ち



次の日。

『おはよ』

私は寝たり起きたりの繰り返しで寝不足だった。

「ん~…」

返事をしながらも、なかなか起きない智也の顔を覗き込んだ。

『もうお昼過ぎてるよ』

「はーい…」

眠そうな目を擦りながらベットを降りると、智也は寝癖のひどい頭で下へと降りていった。

シャワーでも浴びに行ったのかな。


私は2階にある洗面所で顔を洗い、智也を待ってる間化粧をして時間を潰した。


すると、バタバタと階段を駆け上がる音が聞こえる。


「昼飯買いに行くぞ!」

何故そんな元気なのか聞きたいぐらいテンションが高い。

休みだから?


『あぁ、うん』

ぼけっとしながら返事をする私。

「どうした?元気ねぇじゃん」
「よし!昼飯買いに行くか」

男は一服して立ち上がる。

『…うん』

ぼけっとしながら返事をする私。

「どうした?元気ねぇじゃん」

『…あるよ!』

ハッとして大声で答えた。

「ならいいけど!」

智也の笑顔が眩しかった。



スーパーへ向かう道のりで、私に遠慮無く降る日の光り。

『…』

ぼーっと俯きがちで智也の後ろを歩く。


「もしもし?今?俺彼女といるけど」

携帯電話の向こうにいる友達からの質問に答える。

『…』

告白なんてしてもないし、されてもないけど智也は私の事を彼女と言っていた。

ただそれだけなのに、私にも存在意義があるような気がしてまた少し嬉しくなった。

だけど何も深い意味は無い。

言っておけばいい。

ただそれだけ。

やっぱり私はおかしいよ。
性欲処理の女にしかなれないのに。




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