アナタの過ち
「そういえば名前言ってなかったね」
その言葉に、景色から目線を外す。
「僕は木村です、よろしく」
『うん、よろしく…』
「名前は?」
『ゆうか、です』
咄嗟に出た偽名。
本名に限りなく近いけど。
「ゆうかちゃんね、何歳?」
その質問に戸惑う。
私はまだ13歳。
『何歳に見えますか?』
ありきたりで、そしてきっと1番迷惑な返し。
でも木村さんはさらっと答えた。
「んー、高校1年生ぐらいかなって思ってたから16歳?」
『あ、正解です!』
私は笑顔で返す。
今から私は16歳のゆうか。