アナタの過ち
『遅い!』
「すぃません…土下座させて下さい」
『こんな所じゃ出来ない』
「公園とか…」
『…じゃあついて来て』
「はい…」
車を降りて2人で公園へ向かった。
錆びたブランコが風で揺れている。
丁度真ん中あたりに来たとき、後ろで足音が止まった。
振り返ると、男はゆっくりと地面に手をつき土下座の体制へ入る。
私はそれを上から見下ろす。
「すぃませんでした…」
『顔あげて』
私はしゃがんで、ニッコリ目を合わせる。
「た、叩いてください」
言葉のまま、思いっきりビンタした。
「すいません…すぃません…」
しばらくその男には正座をさせた。
寒いのか下を向いたまま微かに震えている。
私はもう一度しゃがみこみ顔を覗き込む。
『もういいから。寒いんでしょ?車戻るよ』
「はい…」
そう言って立ち上がりながら土を払う。
私は1人先に車の元へ歩き出した。