アナタの過ち



『遅い!』

「すぃません…土下座させて下さい」

『こんな所じゃ出来ない』

「公園とか…」

『…じゃあついて来て』

「はい…」

車を降りて2人で公園へ向かった。

錆びたブランコが風で揺れている。

丁度真ん中あたりに来たとき、後ろで足音が止まった。

振り返ると、男はゆっくりと地面に手をつき土下座の体制へ入る。

私はそれを上から見下ろす。

「すぃませんでした…」

『顔あげて』

私はしゃがんで、ニッコリ目を合わせる。

「た、叩いてください」

言葉のまま、思いっきりビンタした。

「すいません…すぃません…」

しばらくその男には正座をさせた。

寒いのか下を向いたまま微かに震えている。

私はもう一度しゃがみこみ顔を覗き込む。

『もういいから。寒いんでしょ?車戻るよ』

「はい…」

そう言って立ち上がりながら土を払う。

私は1人先に車の元へ歩き出した。



< 81 / 147 >

この作品をシェア

pagetop