アナタの過ち



車に戻ったものの私達はずっと無言だった。

「…」

『…』

「…」

『…』

「…あ、あの…煙草買ってきました…」

『うん』

男が手に持っているパーラメントを奪い取るようにして自分のバックの中に入れる。

「…」

『はい』

そして私は下着が2枚入った袋を取り出し、押し付けた。

この淡々とした会話もだいぶ慣れた。


「あっはぃ…」

ポケットから出された5千円札を貰い、私は車を出ようとした。

『ありがと。じゃあね』

「あっ!待って下さい!」

『何?』

「あの……今はいてもいいですか?」

『…どうぞ』

男はいつかと同じように、座席を目一杯後ろに下げて私の物をはいた。

『いや、無理でしょ』

「あぁ…恥ずかしぃです…してもいいですか…?」

『すれば?』

私もいつかと同じ様に無言で見続けた。

「あぁ…やばい…」

『早くしてよ』

「ゆうな様…叩いてください…っ」

この言葉にもだいぶ慣れた。

そして、思いっきりビンタしたとほぼ同時に男は果てた。

今回はティッシュを持ってきたらしい。

『じゃあ帰るから』

「はぃ…」

ドアを閉めて、足早にその場を去った。





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