アナタの過ち


でもその謎は、何回かのやり取りのあとすぐに解決した。

そして理解した。

明人は、私の大切な親友か私…どちらかを彼女にしたいらしい。

こっちがダメならあっち。
あっちがダメならこっち。

失礼にも程がある。

でも。
私が言える事じゃない。

ただ、明人からの連絡で見る度にに弱っていくなっちゃんをほっとけなかった。

相当なストレスが溜まってる。
目に見えてわかる。

もう嫌だと綺麗な涙を流してる。

どうする事もできなくて、胸が痛い。

役立たずな自分が歯がゆい。
何か出来るほどの力はないけど、なんでもいいからどうにかしたい。

何か解決法はないのかな。

明人とのどうでもいいメールを見ながら考える。

タイミング良く鳴るメールの着信音。

「付き合って!」

定期的に来る告白もだいぶ見慣れた。

『…』


明人も私なんかより。

可愛くて頭良くて、でも嫌味も無くサバサバした性格の私の大切な大好きな親友の方がいいと思う。

わかってる。

『…』

でも、そんな私の親友を泣かす奴は許さない。

『…』

こんな男の事で泣かないで。
バカな私なりに、あなたを助けるから。


光るメール作成画面に目をやる。

『いいよ』

たった3文字。
それで状況が変わるのなら本望だ。








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