アイボリー~少しだけあなたにふれてもいいですか?
1章 美しい男
「おはようごっざいまぁす!」
「おや、美鈴ちゃん、今日はこんな早く来る予定だったっけ?」
クローバー書店の山田店長は、店の入り口から飛び込んできた松浦美鈴に穏やかな声で尋ねた。
「今日はね、3時限から休校になったの!だからすっとんで来たのよ。」
美鈴は、この書店でバイトをしているJ大学の3回生。
何よりも本が好きで好きで、半ば無理矢理大学近くのこの書店で働かせてもらっている。
手早くエプロンを着けると、両手を大の字に開いて鼻から大きく息を吸い込んだ。
あ~、本て、なんていい香り。
この香りだけで癒される。
「店長、ここに積んでる本て新しく入った分?」
美鈴はレジ横に数冊積まれた小難しそうな本を指差して言った。
「いや、こないだ予約が入って取り寄せた分だよ。そうそう、予約してた子に本が届いたって連絡入れてもらえる?」
予約してた「子」?って、こんな難しそうな本を「子」が読むのかしらねぇ。
美鈴は一冊の分厚い本を手にとってまじまじと表紙を眺めた。
山田店長はカウンターの引き出しから一枚の紙切れを出して美鈴に手渡した。
「ほら、これ。ここに電話して。」
「はいはーい。」
紙切れには、沢村 拓海という名前と携帯番号が書かれてあった。
ふぅん。
拓海くん・・・。
いくらなんでも小学生じゃないわよね。
自分でもくだらないこと考えるなぁと少し笑って、その携帯番号に電話をかけた。
「おや、美鈴ちゃん、今日はこんな早く来る予定だったっけ?」
クローバー書店の山田店長は、店の入り口から飛び込んできた松浦美鈴に穏やかな声で尋ねた。
「今日はね、3時限から休校になったの!だからすっとんで来たのよ。」
美鈴は、この書店でバイトをしているJ大学の3回生。
何よりも本が好きで好きで、半ば無理矢理大学近くのこの書店で働かせてもらっている。
手早くエプロンを着けると、両手を大の字に開いて鼻から大きく息を吸い込んだ。
あ~、本て、なんていい香り。
この香りだけで癒される。
「店長、ここに積んでる本て新しく入った分?」
美鈴はレジ横に数冊積まれた小難しそうな本を指差して言った。
「いや、こないだ予約が入って取り寄せた分だよ。そうそう、予約してた子に本が届いたって連絡入れてもらえる?」
予約してた「子」?って、こんな難しそうな本を「子」が読むのかしらねぇ。
美鈴は一冊の分厚い本を手にとってまじまじと表紙を眺めた。
山田店長はカウンターの引き出しから一枚の紙切れを出して美鈴に手渡した。
「ほら、これ。ここに電話して。」
「はいはーい。」
紙切れには、沢村 拓海という名前と携帯番号が書かれてあった。
ふぅん。
拓海くん・・・。
いくらなんでも小学生じゃないわよね。
自分でもくだらないこと考えるなぁと少し笑って、その携帯番号に電話をかけた。
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