アイボリー~少しだけあなたにふれてもいいですか?
アイボリーのシャツを着た人は、大きな旅行バッグを肩からかけて、地図らしきものを広げていた。
そして顔を上げて町を見回す。
その顔は、拓海だった。
思わず、美鈴は両手で口を押さえた。
「拓海・・・。」
走り出すのを必死に止めた。
ずっと会いたかった拓海が、ハルシュタットの町にいる。
信じられない光景だった。
これは夢かもしれない。
でも、夢であってほしくない。
声をかけたいけれど、また拓海の冷たい言葉が蘇ってきた。
・・・君は僕の何者でもない
足が止まる。
その時、拓海が美鈴の方に顔を向けた。
拓海の目が大きく見開かれた。
そして、二人の時間が止まった。
拓海の口がわずかに動いた。
「みすず?」
拓海は鞄を地面に置き、ゆっくりと美鈴の方へ近づいてきた。
美鈴はじっと立っていた。
拓海の方へ行くことができない。
だって、拓海をあれほどに傷つけてしまったんだもの。
でも、どうして拓海がこの場所にいるのかだけがわからなかった。
拓海は美鈴の目の前まで来た。
何か言いたそうな顔をしている。
その時・・・
そして顔を上げて町を見回す。
その顔は、拓海だった。
思わず、美鈴は両手で口を押さえた。
「拓海・・・。」
走り出すのを必死に止めた。
ずっと会いたかった拓海が、ハルシュタットの町にいる。
信じられない光景だった。
これは夢かもしれない。
でも、夢であってほしくない。
声をかけたいけれど、また拓海の冷たい言葉が蘇ってきた。
・・・君は僕の何者でもない
足が止まる。
その時、拓海が美鈴の方に顔を向けた。
拓海の目が大きく見開かれた。
そして、二人の時間が止まった。
拓海の口がわずかに動いた。
「みすず?」
拓海は鞄を地面に置き、ゆっくりと美鈴の方へ近づいてきた。
美鈴はじっと立っていた。
拓海の方へ行くことができない。
だって、拓海をあれほどに傷つけてしまったんだもの。
でも、どうして拓海がこの場所にいるのかだけがわからなかった。
拓海は美鈴の目の前まで来た。
何か言いたそうな顔をしている。
その時・・・