アイボリー~少しだけあなたにふれてもいいですか?
8章 秘密
明日からいよいよ店長が復帰する。
今まで緊張していたのか、急に食欲がわいてきた美鈴はその夜お気に入りのカレー屋に飛び込んだ。
「カツカレー大盛りで。」
いつものカウンターに腰をかけ、店員さんに告げる。
店内にはスパイシーな香りが充満していて、その香りをかいでいるだけでよだれが出そうになるのをぐっと堪えた。
周りを見渡すと、男子学生っぽい二人連れと、仕事帰りの叔父さん達がカウンターを占領している。
美鈴のような20代の女子は誰一人いなかった。
そういえば、薫もカウンターのこんなお店入ったことないって言ってた。
美鈴が平気で入るって言ったら、すごく驚いた顔していたなぁ。
そんなことを思い出して、一人うつむいて笑った。
でも、そんなこと美鈴は全然平気だ。
もともと一人でいることも好き。
誰にも気を遣わなくていいもの。
とりわけ仕事の後や学校の後は一人でいる時間がとても好きだった。
自分だけの自由を一人占めできる時間。
一人でないとそれは叶わないことだった。
意外と自分は気を遣うタイプなのかもって思う。
他人にはそうは思ってもらえないこと多いんだけど。
「お待たせしました。」
美鈴の前に湯気がほくほく立ち上ったカツカレーが置かれた。
大盛りに盛られたご飯の上にたっぷりのカレーとカツ。
なんて素敵な光景なのかしら!
美鈴は思う存分に目と鼻で楽しみながらスプーン一かきを口に頬ばった。
その時、後の扉がガラガラと開き、外からの風が美鈴の前髪を揺らした。
今まで緊張していたのか、急に食欲がわいてきた美鈴はその夜お気に入りのカレー屋に飛び込んだ。
「カツカレー大盛りで。」
いつものカウンターに腰をかけ、店員さんに告げる。
店内にはスパイシーな香りが充満していて、その香りをかいでいるだけでよだれが出そうになるのをぐっと堪えた。
周りを見渡すと、男子学生っぽい二人連れと、仕事帰りの叔父さん達がカウンターを占領している。
美鈴のような20代の女子は誰一人いなかった。
そういえば、薫もカウンターのこんなお店入ったことないって言ってた。
美鈴が平気で入るって言ったら、すごく驚いた顔していたなぁ。
そんなことを思い出して、一人うつむいて笑った。
でも、そんなこと美鈴は全然平気だ。
もともと一人でいることも好き。
誰にも気を遣わなくていいもの。
とりわけ仕事の後や学校の後は一人でいる時間がとても好きだった。
自分だけの自由を一人占めできる時間。
一人でないとそれは叶わないことだった。
意外と自分は気を遣うタイプなのかもって思う。
他人にはそうは思ってもらえないこと多いんだけど。
「お待たせしました。」
美鈴の前に湯気がほくほく立ち上ったカツカレーが置かれた。
大盛りに盛られたご飯の上にたっぷりのカレーとカツ。
なんて素敵な光景なのかしら!
美鈴は思う存分に目と鼻で楽しみながらスプーン一かきを口に頬ばった。
その時、後の扉がガラガラと開き、外からの風が美鈴の前髪を揺らした。