アイボリー~少しだけあなたにふれてもいいですか?
「とりあえず乗って。」
「乗って?って。これ。」
「俺の車だし。」
「連れ去り?」
「ばか、何言ってんの。仕事場にはいつも車だからさ。しょうがないとあきらめろ。」
男の人の車に一人で乗るっていうのも、初めての体験だった。
そういえば、奏汰は美鈴よりも随分年上で、立派な社会人だった。
こんな大きな車が買える奏汰に、あらためてふふーんと思う。
いつも「ガキ」扱いされて、不満だったけど、そういう扱いされても当然だったわけで。
「じゃ、失礼します。」
一応普段より丁寧に頭を下げて車に乗った。
隣の運転席には奏汰がどかっと乗る。
車の扉が勢いよくバタンと閉まり、エンジンがかかった。
車はゆっくりと夜の町を走り出す。
なんだか、ちょっとドラマの1シーンみたいじゃない?
そんな雰囲気に慣れてない美鈴はそんなことを思った。
大人っぽい薫なら、きっとどってことないよって笑うんだろうな。
そういえば、拓海は車なんか乗るんだろうか。
大抵の大学生は車持ってるし。
ひょっとしたら薫も拓海の助手席に乗ったのかもしれない。
ふとそんなことを思い、胸がざわついた。
「お前、えらく静かだな。おびえてんのか。」
奏汰が、心配そうな声で聞いてきた。
ふと我に返った美鈴は笑って言った。
「っていうか、どうして今日は誘ってくれたんですか?」
奏汰はしばらく黙ったまま車を走らせていた。
前の信号が赤に変わり車は静かに停まった。
「お前とは長い付き合いだけど、ゆっくりしゃべったことないなって思ってさ。」
「乗って?って。これ。」
「俺の車だし。」
「連れ去り?」
「ばか、何言ってんの。仕事場にはいつも車だからさ。しょうがないとあきらめろ。」
男の人の車に一人で乗るっていうのも、初めての体験だった。
そういえば、奏汰は美鈴よりも随分年上で、立派な社会人だった。
こんな大きな車が買える奏汰に、あらためてふふーんと思う。
いつも「ガキ」扱いされて、不満だったけど、そういう扱いされても当然だったわけで。
「じゃ、失礼します。」
一応普段より丁寧に頭を下げて車に乗った。
隣の運転席には奏汰がどかっと乗る。
車の扉が勢いよくバタンと閉まり、エンジンがかかった。
車はゆっくりと夜の町を走り出す。
なんだか、ちょっとドラマの1シーンみたいじゃない?
そんな雰囲気に慣れてない美鈴はそんなことを思った。
大人っぽい薫なら、きっとどってことないよって笑うんだろうな。
そういえば、拓海は車なんか乗るんだろうか。
大抵の大学生は車持ってるし。
ひょっとしたら薫も拓海の助手席に乗ったのかもしれない。
ふとそんなことを思い、胸がざわついた。
「お前、えらく静かだな。おびえてんのか。」
奏汰が、心配そうな声で聞いてきた。
ふと我に返った美鈴は笑って言った。
「っていうか、どうして今日は誘ってくれたんですか?」
奏汰はしばらく黙ったまま車を走らせていた。
前の信号が赤に変わり車は静かに停まった。
「お前とは長い付き合いだけど、ゆっくりしゃべったことないなって思ってさ。」