自殺少女と花見の少年
「ふぅん。知らぬ間、ってわけじゃないけど自分で変えたんだ。
だから、話しかけたのかな。

本当は死にたくなかったのかもね」



「だったら、僕は嬉しいよ。一人の人の命を救えたんだから」



「でも、その時あたしは、あたしの中では本当に消えてしまいたかった。

今だってあんたがいなくなれば、あたしは今すぐにでもここからサヨナラしたい」



彼女の瞳は本気だった。

昨日と同じ、ものすごく冷たい瞳。


だけど、僕はそんなものに怯えたりしない。

そんな事をしてしまえば、死にたいと思っていた彼女にとても申し訳ない。



「そんなことさせないよ。僕はいなくならないよ。君の悩みが消えるまで」



「消えるといいけど」



「消してみせるさ」



「期待しないで待ってる」



彼女は、1度上を見て ふぅ と息を吐いて神社の本堂の方へ歩いていった。

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