自殺少女と花見の少年

彼女の決意

それからしばらく彼女はひたすら泣き続けた。


僕はそれを静かに待った。

ウザいとも煩いとも思わなかった。



そして、一通り泣き終えてから静かに



「あたし、警察行ってくる」



と言って立ち上がった。



「え?」



唐突過ぎて、少しおかしな声が出た。



「行ってくる」



「ま、待って!大丈夫なの?」



「大丈夫じゃないよ。怖くてしかたないし、今だって気を抜いたら倒れそう。


足の震え止まんない」



桜子は自嘲気味に笑った。



「僕も一緒に行くよ。

途中で倒れられたら怖いしね」



「ごめん。ありがとう」


< 49 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop