見えない何かと戦う者たちへ
最近、
ソノの周りはうるさくなっていた。
理由は簡単。
やつらがいつも一緒だからだ。
垣内はもちろん
美結、明日香、懍がいつも一緒にいる。
昼は五人で教室だ。
五人とも席は離れているのに
なぜかみんなソノの席にぞろぞろと集まるのだ。
「…ちょっとトイレいってくる」
食べ終わったソノは
一度教室を出た。
垣内と明日香は
まだ言い合っている。
美結がモッモッと美味しそうに食べている姿を
ガン見する懍がいる。
ソノはそんな光景を見て
あきれたようにフッと笑った。
「…ちょっと、今のみた?」
「みたみた、笑ってたよね!?初めてみたー」
「相田くんって何気イケメンだよね」
ソノがいなくなった瞬間
教室にいた女子たちが騒ぎ始めた。
残された四人は
しょうがなくその女子たちの話を聞く。
「そのってやっぱモテるよなぁ」
「まぁ垣内よりはモテるんじゃない?」
明日香の言葉に
垣内が怒りマークのついた笑みを浮かべた。
「あっ私、ジュース買ってくるね
みんななんかいるー?」
美結は言葉をかけたが
よく見るとほかの三人はまだ飲みかけのジュースが
たぷたぷだった。
それを確認すると
テケテケと小さい美結は教室を去った。
「かわいいなぁ、」
「でしょ!?美結は可愛いのよ!」
一瞬にして
懍が消えたと思ったら、
美結を可愛いと褒めた女子生徒の元へ飛んでいた。
その辺にいた男子も巻き込まれ
懍による美結の講座が始まった。
そこに恐る恐る近づく
"中二病"がいる。
「…!?この気配は、奴か!中二病!」
「…まいえんじぇるの話が聞こえたので」
「はっ!お前、また同じことしたら許さんぞ…」
教室の中央でいきなり
懍と中二病のバトルが開幕した。