見えない何かと戦う者たちへ
「…えっ?私!?」
お決まりのように
美結は自分を指差し反応した。
明日香も垣内も
興味津々といった顔で美結を見た。
あまりにも真っ直ぐ
見つめてくるので目線を反らし、
ジュースを手にした。
「どおって言われても、
普通に友達だけど…」
「普通に友達…」
「だけど…」
「気になる、と」
ほーと二人はあごを少し上げ、
ふーんと頷くように納得した。
やっぱりこの二人似てる…と
思った美結であった。
「まぁ俺も本人の気持ちは無視して
あの潔癖症は治すべきだと思うけどな」
「潔癖症は特に何も思わないけど、
それを治すことで何か変わるなら治すべきだと思うわ」
いつの間にやら
二人で話が進んでいる。
美結にはわからないけど
二人は何か知っているのは確かだった。
その上で
ソノの潔癖症を治すべきだと言っている。
それだけは
美結にも理解できた。
そこでようやく
幼女と戯れていた懍が席に戻ってきた。
時計を見ると
なかなかの時間だった。
「この話はまた、
本人がいるところでしましょ」
明日香は話を切り上げ、席を立った。
他の三人も荷物をまとめ始めた。
駅には向かわない垣内と分かれ、
美結たちはなんでもない話をしながら帰った。