見えない何かと戦う者たちへ
あまりにも真っ直ぐな目線を送ってくるので
さすがの明日香も動揺してしまった。
「うあえっ、えっわかった!いいよ!」
何を言っているのか自分でも
よくわかってない明日香に対して
垣内はプッと吹いた。
「お前らしくないな、
めっちゃ噛んでんじゃん(笑)」
なんだろう、
垣内がキラキラして見えたのだ。
明日香は垣内が去ったあとも
なんだか彼がいた辺りがキラキラと輝きを残していて
頭がボーッとした。
もちろん懍は
見逃さなかった。
ついでに
中二病も見逃さなかった。
二人でまた顔を合わせ、
グフグフと笑った。
やっぱり
このクラスは賑やかでいつも明るい。
文化祭という学校をあげてのお祭りで
どんな楽しいことがあるのだろうか。
きっとみんな思いは同じた。
「その、放課後ちょっと寄って帰ろうぜ」
と言った垣内はすぐにハッとした。
そして
腕を組んで考え始めた。
(この潔癖症を
どこに連れていけばいいんだ?)
ソノは垣内から話しかけてきたくせに
いきなり黙るので怪しく思いながらもすぐに作業に戻った。
垣内が考え始め、ソノが作業に戻ってちょっとたったとき
やっとソノは気づいた。
「もしかして
俺の性癖に気を使ってるのか?」
垣内は
腕組みをやめ、答えに迷いながらもうなずいた。
ソノは小さく
ため息をついて垣内を見た。
「話するだけなら
放課後の学校でも問題ないだろ?」