見えない何かと戦う者たちへ
「答えれないのか?」
垣内は答えを知っているつもりだった。
答えるところまでさせれば、
あとは垣内の考えと同じだと思っていた。
「…す、キ…?」
ソノはだれかに聞こえるか聞こえないかの声で
つぶやいた。
垣内は急かすこともなく
黙ったまま返事をまった。
(あっ、
返事って俺が告白したわけではないぞ?
だれが男になんか…)
あまりにもソノが口を開こうとしないので
垣内は脳内で一人ツッコミをしはじめた。
(あたり前だ!俺は男だ。
確かにそのはかっこいいし頭もいい。
最近は少し笑うようになって
あーやっぱ笑うと童顔だなって思うな。
いつもはふて腐れた顔してるから
気づかないけど
背も高いし、清潔感もあるし
男の俺から見てもイケメンだよなぁ。
一人暮らししてるってことは
家事もできるってことだし…。
うむ、そのは実にいい男だ!
って、そーゆーことじゃねぇだろ、俺っ!!)
「垣内、
お前はどう思う?」
ソノはめずらしく人に近づいた。
もちろん、垣内に。
顔を近づけ、困ったように眉をひそめ
まるで捨てられた子犬のようだ。
「うわあああああああああああ
俺は女あ好きだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
垣内は奇声を発してソノの肩を思いっきり押してしまった。
ソノは倒れはしなかったが手袋をはめた手で
肩をそっと触れた。
気のせいなのか、
なぜか顔色が悪い。身体もなんだか震えているのだ。