見えない何かと戦う者たちへ
―――――ブーブーブーブー……
二人の携帯電話が
同時に鳴りはじめた。
二人は我に返ったように
表情をハッと変えて各々携帯電話を探した。
ソノは制服のズボンポケットから
懍はカバンの奥底から取り出した。
画面を見ると
参加、不参加の文字が出ている。
二人は一度
顔を上げお互いを見つめた。
どうやら
同じ画面を見ていることに気づいたようだ。
なんとなく
懍はうなずいて、つられるようにソノもうなずいた。
携帯画面に視線を戻し
同時に"参加"のボタンを押した。
雨がだいぶ
小降りになってきたため
今のうちにと二人は別れて帰った。
懍は心配でソノと別れてからも
何度も後ろを振り向いていた。